刀@つぶれたかえる 

1匹の蛙

其の蛙は
とても人間が好きで
毎日
学校のそばにいっては
子供たちが帰るのを
すごく遠くから
見ていました

ある日
蛙の元に
子供が寄ってきました
しかし
蛙は逃げてしましました
なんせ
こんなに近くに人間がきたことは
初めてだったので
反射的に
逃げてしまったのです
そして
次の日も
蛙は
学校へいきました
毎日毎日
人間のもとへ

蛙は人間を見ているのが
とても
好きでした
蛙は
毎日毎日
学校に
行きました

蛙は
そんな日々が
とても
大好きで
とても
幸せでした


そんな幸せな日々が
いつまでも
続くと
信じて
疑いもしませんでした


今日もいつもと変わらずに
「学校」へいきました
すると
今日も
人間が
蛙の元に近づいてきました

とても怖かった
逃げ出したかった
だけど
信じてみたかった
触れてみたかった

「友達になれるかな」
「お話できるかな」
「人間の事が知りたい」
「友達に
 なりたい」

いろんな気持ちがよぎり
蛙は
逃げませんでした

・・・

すると人間は
蛙を力任せに
わしづかみにし
地面に落とし
其の上に
石を
とても重たい石を
落としました

・・・

蛙は何が起きたか
全くわかりませんでした
ただただ
 
『何故?』

そう思うだけでした
人間を
愛していたのに
どうして
どうして
どうして

蛙は
石に潰され
すぐに
死んでしまいました

人間は
何も無かったかのように
スタスタと家に帰りました

人間の事が
大好きだった蛙

最後は人間によって
裂かれてしまった

それでも
蛙は
最後まで
人間を大好きでいました

信じていました

裏切られて尚

信じれたのは

ただ

信じたかったから

最後まで

ずっと

ずっと

大好きな

ままで