刀@つばさをきったおおかみ 

一匹の狼と
一匹の鳥

狼はいつも
自由に飛び回る鳥を
眺めていた

いつしか狼は
鳥に触れたいと
思うようになっていたた

ある日
狼は
鳥に近づいた
しかし鳥は
空へ逃げてしまった
狼はそれを
寂しくも
腹立たしくも思いました

そして
ある日のこと
鳥が
低い木に
狼が届く程
低い木にとまって
体を休めていた

それを見た狼は
とても
触れたくなった

鳥は
近づくとすぐに
狼が届かない空へ
逃げてしまう

狼は
考えた

ソーっと近づいても
逃げてしまう
それなら
あの
自由に飛べる羽を
切ってしまえばいいのだ


そして狼は
鳥に飛び掛り
鳥の羽を
両方
切り落としてしまった

鳥は
何の抵抗もしなかった
ただ静かに
横たわってた

狼は満足そうに
鳥に話しかけました

「ねぇ、友達になろう」

しかし鳥は
答えてはくれなかった

狼は
諦める事無く
何度も何度も呼びかけました

何度も

何度も

しかし鳥は
ピクリとも動かず
ただ静かに
横たわってた

狼の目から
生まれて初めての
温かい涙が
零れ落ちた

狼の胸には
生まれて初めての
悲しいという感情が
生まれていました

狼は
鳥に
羽を返してあげました
血だらけになって
切り落とされた
紅い
羽を

しかし鳥は
横たわったままでした